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謹賀新年

 

本年も明けましておめでとうございます。入谷のわきも4年目の春を迎えました。

世界では、未だ戦禍に怯える人々がおりますが、日本は大きな暴力によって殺されたり、殺したりすることがなく、新たな年を迎えられ、戦後をカウントできることに、感謝ですね。

のわきの暖簾印に添えましたは『扇屋軒先図屏風』に描かれました、鶏を抱いて遊ぶ童です。
この子は、いつもこうして遊んでいるのでしょうか、抱き方が上手ですよね。鶏の方も慣れたものです。

今年は酉年。何事も最後に吉があるとも、最後が大事ともいわれます。鳥って申しますと羽ばたく方ばかり気になっちゃうものですが、そうすると大事なのは「着地」の方でございましょうな。

今年は、皆様の見事な「着地」をお祈り申し上げます。

*『扇屋軒先図屏風』は大坂市立美術館にございます。
扇職人の家を描いた屏風で、扇作りの作業が見て取れて、楽しい作品です。扇と申しますと、よく、京は分業、江戸は一処(ひとっところ)と言いまして、京都では、ひと工程ずつ職人がいて、江戸ではひとりの職人が仕上げたそうです。この図を見ると、大坂の扇職人も一処で仕上げていたのがわかります。

末広がりの扇に酉ですから、まさに今年見るに相応しい屏風です。