真夜中。午前1時。
無音の星空の下。
むき出しの地球に立ったような気持ちになりました。
サハラ砂漠の午前1時。
凍えるような満天の星明かりを浴びる。
砂漠は氷のように冷え、全ての音を吸い込む。
なんて広い地球。なんて広い宇宙。
砂の丘を登って、宇宙に一番近いところまで行ってみる。
「あ〜」とため息と感動が口から漏れる。
やがて、どこからか恐ろしいほどの孤独がやってきて、
僕をあっと言う間に包み込む。
僕は、一瞬で宇宙の孤独を体験する。
それは、サハラ砂漠が宇宙に剥き出しだから。
しっかりつかまっていないと宇宙に落っこちて、
遠い遠い彼方に吸い込まれてしまうだろう。
孤独に悩まされる人は、宇宙に落っこちそうなのかもしれない。
必死で地球につかまっているのかも。
こんな感じで。
いつのまにか、剥き出しの地球にいて、
必死で落ちないように頑張ってるんだね。
さらさらの砂でも、しっかりつかまってるんだ!
でも、僕らを捕まえていてくれるのは地球だけじゃないよ。
きっと。
重力。
愛は重力。
誰かを愛して、愛されれば重力は2倍。
しっかり、抱きしあえば4倍?
大きな動物も、あなたをしっかりと地球につなぎ止めてくれるよ。
思いっきり体重を預けても、彼らはきっとひるまない。
だって彼らは四本の足でしっかり地球につかまっているから。
ちいさな動物も、しっかり胸に抱きとめたら、
きっと、愛で包んでくれるね。
そして、地球にとどめてくれるんだね。
誰も愛せない時は、じっくりと星を観察して、
迷子にならないようにする方法もあるよね。
何故って?
敵を知れば、しっかり腰を据えられるからさ。
例え宇宙に落っこちても、星の間を散歩できるかもしれない。
野の花の名を知ると、
草原が友達でいっぱいになったような気持ちになるのと同じように。
星の名前を知ると、宇宙はもう孤独な場所じゃなくなるよね。
きっと。
たぶん。
おそらくね。
だから、昔の人は偉いもので、
星を繋げて、星座をつくったんだ。
そして、夜空に一つ、あなたの星座を用意して、
ひとりにひとつ物語を用意したんだね。
たった一人になっても、宇宙に落っこちたりしないように。
きっと。
宇宙と家族になれるように。
きっと。
たぶん。
おそらくね。
そうすれば、僕らはもうどんなところでも歩くことができるから。
もう、ぜったい宇宙に落っこちたりしないよ。
学ぶことも僕らを地球に繋止めてくれるんだね。
神様は人間が二本足でも、地球につかまっていられるように、
学ぶことを与えたんだね。
僕らはなんてラッキーなんだろう!